【誰でもわかる獣医さん講座】猫の口臭は怖い病気?原因・対策・ケア方法


たまに猫ちゃんの口が臭いなと感じるときはありませんか?

実は猫ちゃんの口臭を気にしている人って多いんです。毛の色や性格が違うように、猫ちゃんによって口の臭いも様々。中にはとても口が臭くなってしまっている猫ちゃんもいます。

みんな一体どうやって愛猫の口臭ケアをしているのか、気になりますよね。ですが、実は多くの人は口臭が気になりつつも、ついつい「うちの猫ちゃんは大丈夫!」と放置しがちなんです。

口臭は一見大した問題ではないように見えるので、甘く考えてしまう人も多いんですね。ですが、口臭をそのまま放っておくと、どんどん臭いがひどくなっていってしまったり、最悪の場合、命の危険にさらされることもあるんですよ。

なんだか不安になってきた…。そう思った方、怖がらせてしまってすみません。ですが、口臭対策は早く始めた方が絶対に猫ちゃんのためになります。

猫ちゃんの口臭の原因は、ほとんどの場合いくつかの病気に絞られます。まずは、猫ちゃんが何の病気にかかっているのか、それを知ることが大切です。

ここでは猫ちゃんの口臭の原因になる病気とその治療方法を分かりやすく紹介しています。また、今日からお家で出来る口臭ケアも紹介しているので、最後までじっくりと読み進めてくださいね!

猫ちゃんの口臭の原因は?「口臭い!?」と思ったらまず知っておくべきこと!

猫ちゃんの口臭の原因は大きく分けて2つあります。

それは、「口の中のトラブル」と「体の中のトラブル」です。そしてほとんどの場合、猫ちゃんの口臭の原因は「口の中のトラブル」にあります。

「口の中のトラブル」によって起こる口臭は、「菌」の増殖が原因になっています。菌は目に見えないとっても小さな生き物で、よっぽど特別な場所でない限りありとあらゆる場所に存在します。そしてもちろん、私たちの口の中にも存在しています。

菌にとって健康な口の中はサバイバル状態です。数を増やそうにもあちこちから敵が襲ってくる状態では簡単に増えることは出来ません。

ところが、口の中にトラブルが起こるとどうでしょうか?菌にとっては頑丈なお家ができるのと同じです。お家の中でどんどん数を増やしていき、口臭を引き起こすようになってしまいます。

それでは、具体的に猫ちゃんの口の中のトラブルにはどんなものがあるのでしょうか?ここから、詳しく見ていきましょう。

猫ちゃんの口臭は口の中にあり!?お口のトラブルを解説

猫ちゃんの口はとってもナイーブ。お口にトラブルを持っている猫ちゃんは非常に多いんです。是非猫ちゃんのお口の中を確認しながら読みすすめてみましょう。(※猫ちゃんが嫌がる様子なら、あまり無理はしないようにしましょう!)

口の中のトラブルの源!歯垢(プラーク)、歯石

ご飯を食べると口の中に食べカスが残ります。するとこの食べカスを栄養にして菌がどんどん増えていきます。そしてこの菌が固まって白いねばねばになったものが歯垢です。最近ではプラークともよばれますね。

では、このプラーク1gの中に、菌はどれくらいいると思いますか?

100個?1000個?10000個?

いえいえ、なんと1000億個もの菌がたった1gのプラークの中に存在しているのです!地球の人口が70億人ですから、たった1gの中にその10倍以上の数の菌がいるわけです。いかにプラークが汚い物かわかりますね。

プラークの中にいる菌はお互いにスクラムを組み、できるだけ居心地のいい歯の周りにへばりつこうとします。これがバイオフィルムという現象です。

台所やお風呂の掃除をサボっていると、いつの間にかぬるっとした物体がくっついていますよね。これもバイオフィルムです。水の流れに負けないように菌がスクラムを組み、中で菌が増えやすい環境を作っているんです。これと同じことが、猫ちゃんの口の中でも起こっているんですね。

さて、このプラークは放っておくと唾液に含まれるカルシウムやリン酸塩というものとくっついて、だんだん固くなっていき、最後は石のように固くなります。これが歯石です。一度歯石になってしまうと、簡単に取ることは出来なくなります。

歯石には目に見えない穴がたくさん開いており、菌のいい住処になります。その中で菌はどんどん数を増やし、それと共に歯石も大きくなっていきます。

歯垢や歯石は菌の塊なので、放っておけばおくほど口臭もひどくなっていきます。ですがそれ以上に怖いのが、次にご紹介する「歯周病(歯肉炎、歯周炎)」の原因になることなのです。

猫ちゃんでも大問題!歯周病(歯肉炎、歯周炎)とは!?

猫ちゃんの口の中をのぞいてみると、歯の周りにピンク色の肉が見えますよね。これが「歯肉」という部分です。

歯垢や歯石を放っておくと、歯肉が菌に反応して炎症を起こし、腫れてしまいます。この状態が「歯肉炎」です。歯肉炎になると歯と歯肉の間に隙間(歯肉ポケット)ができてしまうため、そこが菌のお家になってさらに菌が繁殖しやすくなります。

また、歯肉炎を放っておくと、歯肉の周りの組織にも炎症が広がり、歯周炎になります。歯周炎になると歯肉ポケットがもっと大きくなり、歯周ポケットになります。その中ではさらに菌が増え、口臭がもっとひどくなってしまうのです。

人でも問題になっている「歯周病」と言うのは、実はこの歯肉炎と歯周炎を合わせた状態のことなんです。人間だけでなく、猫ちゃんの世界でも大きな問題になっている怖い病気なんですね。

最初は小さな炎症でも時間が経って歯周病になってしまうと、ひどい口臭のほかにも歯ぐきからの出血や食欲の低下、歯のぐらつきと言った症状が出てくることになります。

猫ちゃんに多い口内炎!ウイルス感染がある猫ちゃんは要注意!

続いて紹介するのは口内炎と言う病気です。私たち人間にもなじみ深い病気ですが、人と猫ちゃんでは症状の現れ方が少し違います。

人の口内炎は口の中にできる小さなできものが多く、健康な人なら数日で治ります。一方、猫ちゃんの口内炎は歯肉や舌が赤く腫れあがります。特に、口の奥の方の歯の周りが腫れてしまうのが特徴です。そしてなかなか治りません。口内炎が起こると菌が口の中で増殖しやすくなるので、きつい口臭の原因になります。

実はこの口内炎、猫ちゃんの6-7%ほどに見られるオーソドックスな病気です。原因はカリシウイルスなどのウイルスや口の中の細菌、免疫の異常などと言われていますが、実ははっきりとしたことはわかっていません。

猫白血病(FeLV)や猫後天性免疫不全症候群(FIV)などのウイルス疾患に感染している猫ちゃんは口内炎がひどくなることが多いと言われています。もともとこういった感染症を持っている猫ちゃんの場合、より注意が必要となります。

口内炎は痛みを伴うことが多いので、猫ちゃんはとても気にします。元気がなくなったり、食欲が落ちて痩せてしまうこともあります。放っておいても治ることはありませんので、かかりつけの獣医さんに診てもらう必要があります。

放っておくと命の危険も…口臭が起こる体の中のトラブルを解説

猫ちゃんの口臭は口の中だけが原因ではありません。実は体の中のトラブル…色々な内臓の病気でも口臭が出ることがあるのです。

命にかかわる怖い病気が進行している可能性もあるので注意が必要です。

猫ちゃんが避けては通れない「腎臓病」とは?

猫ちゃんの口臭の原因で多いのが、腎臓の病気(腎臓病)です。特に高齢の猫ちゃんによく見られる病気ですが、若い猫ちゃんでも起こることがあります。猫ちゃんにとっては非常に身近な病気と言えるので、必ず知っておきましょう。

最初に、腎臓の働きを紹介したいと思います。

腎臓の一番大切な働きは、おしっこを作ることです。もし、腎臓でおしっこが作られなければ、私たちも猫ちゃんも数日だって生きることは出来ません。

それはどうしてかと言うと、私たちはおしっこに混ぜて、体に必要のないものや毒になるものを体の外に捨てているからです。必要なものは体に残し、いらない物は捨てる。それを年中無休で24時間行っているのが腎臓なのです。

実は、猫ちゃんは動物の中でも特に腎臓が弱いと言われています。

もともと猫ちゃんはおしっこを濃縮する能力が高く(なので猫ちゃんのおしっこは臭いのです)、腎臓にはたくさん負担がかかっている状態です。そのため腎臓は衰えるのも早く、だいたい7歳くらいから腎臓の機能は下がってくると言われています。

腎臓が悪くなるとおしっこを濃くする能力が下がるので、たくさんおしっこが出て、その分たくさん水を飲むようになります(多飲多尿)。そしてもっと腎臓が悪くなってくるとおしっこを作ることが出来なくなり、おしっこが出なくなります(乏尿・無尿)。そうすると体に悪いものが溜まり続け、最後は死んでしまうのです。

そして腎臓の病気の一番恐ろしいところは、なかなか症状に現れないところなんです。

具合が悪いかな?と私たちが気付くころには、腎臓の機能の大部分が失われており、残念なことに一度失われた腎臓の機能を取り戻すことは出来ません。もし60%の腎臓の機能が失われてしまったなら、残りの40%を大切に使っていかなくてはならないのです。

腎臓の働きを工場のベルトコンベアーで考えてみるとわかりやすいかもしれません。

10人の人が流れてくる商品を分ける作業をしているところを想像してみてください。最初は10人で元気に仕事をしていましたが、時が経つにつれて3人、4人と年を取って仕事ができなくなっていきます。すると残りの6人だけで流れてくる商品を分けて行かねばなりません。

6人で10人分の仕事をするわけですから、だんだんとベルトコンベアーが止まったり、間違いが出てきてしまいますよね。こうなってはじめて、なんだかおかしいぞ?とみんな気づき始めるわけです。

残念なことにこの仕事は代わりになる人がいません。なので残りの6人は必死で仕事を頑張ります。ですが、だんだんと疲労で倒れる人が出てきます。そうすると仕事をする人がどんどん少なくなって行き、最後には0になってしまいます。こうなると、腎臓は働くことが出来なくなってしまいます。

ですがもし、6人が残っているときにベルトコンベアーに流れてくる商品の間隔を長くしてあげるとどうでしょうか?一気に仕事が楽になるはずです。もしくは、栄養満点のご飯を出してあげるとどうでしょうか?頑張って仕事を続けてくれるかもしれませんよね。

1人になってから助け舟を出してあげるより、6人の時に出してあげる方が、工場=腎臓はより長く仕事を続けることができます。大切なことは定期的に健康診断を受け、腎臓の機能がたくさん残っているうちに治療を開始すること。これに尽きるのです。

口臭を出す病気は腎臓病以外にもある!

腎臓病のほかにも様々な病気で口臭が現れることがあります。

まずは糖尿病です。猫の糖尿病は人の2型糖尿病によく似ていて、肥満や感染症、膵炎などが原因になります。糖尿病になると、エネルギーのもとになる糖(グルコース)が血液の中から出て行かなくなり、細胞に糖を取り込むことができなくなってしまうため、体はエネルギー不足になってしまいます。

体を動かすためにはエネルギーが必要ですから、次は脂肪を燃焼させてエネルギーを作り出そうとします。その中でケトン体という酸性の物質がたくさん出来ます。これにより体が酸性になって(糖尿病性ケトアシドーシスと言います)、口臭が甘酸っぱくなります。

また肝臓病になると、肝臓の大切な働きである「解毒」作用(体に悪いものを無害なものに変える作用)が減ってしまいます。すると本来解毒されるべきアンモニアが体にあふれ、口臭がアンモニア臭(おしっこのような臭い)になります。

また、口の中や食道、胃などに悪性の腫瘍(癌)が出来た時も独特の口臭が出ることがあります。

こういった病気の場合、元気がなくなったりご飯を食べなくなったりと言った症状も一緒に出ることが多いですが、猫ちゃんによってはあまり出ないこともあります。すぐに動物病院で検査する必要があるため、できるだけ早く病院に行くようにしましょう。

病院に行きたいけど…どんな治療をするのか不安

普段から動物病院に行き慣れていない人は、病院に行くのをためらってしまいがちです。動物病院ではどんな治療がされるのか、それを知っておくだけで病院に行きやすくなるかもしれません。

ここからは、病院で行う治療の一部をご紹介したいと思います。

歯石だけの場合

歯に歯石がくっついている場合、簡単に取ることは出来ないので麻酔をかけて専用の機械を使って取る必要があります。(これをスケーリングと言います)歯の状態にもよりますが、歯石を取るだけなら数十分から1時間程度で終わるでしょう。

歯周病(歯肉炎、歯周炎)の場合

歯周病は歯垢や歯石が原因となっているので、まずはスケーリングでそれらを取り除くことがとても大切になります。ポケットが深くなってしまっている場合はじっくりと奥まできれいにする必要があるので、少し時間はかかるようになります。

歯周病がひどいと、歯をきれいにするだけでは治療ができないため、歯を抜いてしまった方が状態が良くなることもあります(猫ちゃんは歯がなくてもご飯を食べることができます)。

口内炎の場合

歯石がくっついている場合はスケーリングを行います。また、菌が増えるのを抑えるお薬や、炎症を抑えるお薬も効果があります。

ただ、長くお薬を飲み続けていると、次第にお薬が効きづらくなってくる可能性があります。口内炎がひどくてご飯が食べられなかったり、それで体重が減ってしまうようであれば、炎症がひどい部分の歯を抜いてしまうのも治療の一つになります。

体の中のトラブルの場合

体の中に病気がある場合、まずは血液検査や尿検査、レントゲンやエコーなどを使って詳しく病気を調べていく必要があります。そしてその後、検査結果と猫ちゃんの状態を見て、今後の治療方針を獣医師とあなたで決めていくことになります。

猫ちゃんのためにも、しっかりと今後のことを話し合うようにしましょう。

即実践!今日からお家で出来る口臭ケアをご紹介

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「今すぐに何か対策したい!」

そんなあなたにおすすめの方法をご紹介します。

歯ブラシをする

歯ブラシで、歯垢を取り除くのもお家で出来る口臭ケアになります。歯ブラシは猫ちゃん用の小さいものを使うようにしましょう。もし歯ブラシがすぐに準備出来ない場合は、ガーゼをまいた指で優しくなでるのも効果があります。

ただ、口を触られるのはどんな猫ちゃんでも嫌がるものです。あまりにも嫌がる場合は、無理強いしないようにしましょう。こういった時のために、子ねこの頃から歯ブラシの習慣をつけておくとやりやすいと思います。

また、すでに歯周病や口内炎などで口の中の状態が悪い猫ちゃんは、口を触られるのをとても嫌がります。無理に歯みがきをするのは絶対にやめましょう。どうしても歯ブラシをしたい場合は、かかりつけの獣医さんの意見を聞いてから行ってください。

ウェットフードをドライフードに切り替える

ウェットフードは口にくっつきやすく歯垢や歯石のもとになってしまいます。もし今ウェットフードをあげているなら、おもいきってドライフードに切り替えてみるのもいいでしょう。

無添加のフードに変える

猫ちゃんは食べ物に含まれる添加物が非常に苦手です。市販の安いフードには添加物がたくさん入っているため、消化不良を起こして口臭が出やすくなります。無添加のオーガニックフードに変えてあげるのも一つの手です。

また、フードの種類やメーカーを変えてすぐに口臭が出始めた場合も、フードが体に合っていなくて、消化不良を起こしているのかもしれません。前のフードに戻してみるか、前のフードに混ぜながら少しずつ新しいフードに切り変えていくようにしましょう。

専用のおやつをあげる

歯垢を付きにくくするおやつをあげるのも効果的です。普段のフードに混ぜてあげたり、ご褒美感覚であげるのもいいと思います。

サプリメントをあげる

猫ちゃんの口臭対策用のサプリメントもたくさんあります。錠剤タイプや、口にたらすタイプ、お水に混ぜるだけの簡単なものもあるので、まずはサプリメントから始めてみるのもいいかもしれません。

おわりに

猫ちゃんの口臭は、場合によっては治るまでに長い時間がかかってしまうこともあります。小さなことからコツコツと、猫ちゃんの様子を見ながら進めていきましょう。

しゃべることが出来ない猫ちゃんにとって、口臭は大切な健康のバロメーターです。猫ちゃんからのサインは見逃さないようにしっかりキャッチしてあげてくださいね。

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管理者

はじめまして。
猫好きアラサー女子、めぐです♩
生まれた時から猫ちゃんに囲まれて過ごしてきた私は、今までにたくさんの出会いと別れを経験してきました。

大切な命であり、家族である猫ちゃんことをもっと知りたい!そして、自身が学んだことを一人でも多くの方にお伝えしたい!!「ネコの隠れ家」にはそんな想いが詰まっています。

ここを訪れれば猫ちゃんのことが何でもわかる、そんな居場所になれればと思いアクセル全開で取り組んでいますので、どうぞよろしくお願いいたします(^ ^)